最近、VTuber業界、特にホロライブにおいて「卒業」というワードをよく耳にするようになりました。兎田ぺこらさんや星街すいせいさん、さくらみこさんなど、人気メンバーの卒業発表が相次ぎ、ファンの間では「卒業ラッシュ」という言葉も生まれています。
この状況について、ホロライブの方向性と卒業の関連性を考察してみたいと思います。
YAGOO（谷郷元昭）CEOの描くアイドル路線とは
ホロライブのCEO、通称「YAGOO」こと谷郷元昭氏が当初描いていたのは「バーチャルアイドル」の育成でした。実際、ホロライブの初期メンバーの多くは「アイドルVTuber」として活動をスタートしています。
しかし現実は異なる方向に進み、多くのメンバーは個性豊かなゲーム実況やトーク、時には「やばい」と形容されるような独自のキャラクター性で人気を獲得していきました。この「YAGOO」の理想と現実のギャップは、ファンの間では「YAGOOの夢」として親しまれるネタになっています。
企業としての成長と変化
ホロライブはこの数年で急成長し、企業としての規模も大きく拡大しました。ユーチューブチャンネル登録者数は、トップメンバーで200万人を超え、グローバル展開も進めています。
この成長に伴い、企業としての方向性も変化しています。具体的には、
1. コンテンツの多様化（ゲーム、音楽、グッズ、イベントなど）
2. 海外展開の強化（英語圏、インドネシア、韓国など）
3. ブランドイメージの統一化と管理の厳格化
特に3点目については、初期に比べてルールや制約が増えたという声もあります。
卒業の背景にあるもの
では、なぜ人気メンバーの卒業が相次いでいるのでしょうか。いくつかの可能性が考えられます。
契約更新のタイミング
多くのVTuberは、数年単位の契約を結んでいると言われています。初期メンバーや2期生、3期生などは、ちょうど契約更新の時期を迎えていると推測されます。
キャリアプランの変化
「VTuberとしての活動」を経て、別のキャリアを模索するメンバーも少なくありません。中には、実写での活動を検討している方もいるかもしれません。
企業の方向性との相違
企業の成長に伴い、商業的な成功や海外展開を重視する方向性が強まれば、それに共感できないメンバーが現れるのは自然なことです。
個人的な理由
健康上の問題や、プライベートな環境の変化など、公表されない理由もあるでしょう。
ホロメンたちの選択
現役メンバーたちも、様々な選択肢を検討していると思われます。
1. ホロライブ内での活動継続（現状維持または活動内容の変化）
2. 卒業して別のVTuber事務所へ移籍
3. 個人VTuberとしての独立
4. VTuber活動の完全終了
これらの選択肢を前に、メンバーたちは自分のキャリアとファンとの関係性を考慮しながら決断を下しているのでしょう。
ホロライブの今後とVTuber業界
ホロライブは卒業ラッシュがあっても、ヨルシカとのコラボレーションCMや、大規模イベントの開催など、企業としての勢いは衰えていません。新たなタレントの発掘や、既存メンバーのさらなる成長によって、今後も業界をリードし続けるでしょう。
VTuber業界全体としても、メタバースやWeb3との親和性の高さから、今後さらなる発展が期待されています。
まとめ
ホロライブの卒業ラッシュは、単なる偶然ではなく、企業の成長、契約の更新時期、個人のキャリアプランなど、複合的な要因が絡んでいると考えられます。
ファンとしては寂しい気持ちもありますが、これはVTuber業界が成熟期に入った証でもあります。メンバーの新たな道を応援しつつ、ホロライブの今後の展開にも注目していきたいところです。
最後に、本記事はあくまで公開情報に基づく考察であり、実際の内部事情は関係者のみが知るところです。メンバーの卒業に際しては、本人の意思と選択を尊重することが何よりも大切だと思います。
